打撃が好調な捕手一筋の磯村嘉孝選手。思い切りの良いスイングも特長で、それが長打につながっています。
アドゥワ投手や山口翔投手など、今期は若手投手とバッテリーを組むケースが多く、好リードで先発初勝利へと導きます。「若手投手の球を受けるときは、そのピッチャーのスタイルを崩さないよう、良いところを引き出すことを意識しています」とのこと。過去に対戦した相手選手のデータを常に頭に入れるため、「試合中はベンチにいても、相手バッターの反応や結果をメモしています。僕ってすぐメモしておかないと忘れるので…」と、明るく笑い飛ばします。その笑顔の裏には、日々の努力の積み重ねが感じられました。

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“試合に勝てる”それが理想のキャッチャー

編集部
ピッチャーのリードや捕球の技術、バッティングなど、キャッチャーはやることがたくさんありますね。

磯村
あんまり〝大変だ〟と思うことはないですね。僕はこのポジションが結構好きなので、いろいろ研究することは苦にならないです。楽しいという言い方はおかしいかもしれませんが、キャッチャーとはそういうポジションなので、仕方がないですね(笑)。

編集部
磯村選手はキャッチャー一筋ですが、このポジションの魅力は?

磯村
僕は、小学生のころからずっとキャッチャーです。グラウンドに立っている9人の中で、〝監督〟という気持ちでやっています。キャッチャーは全体を見て、全体を動かして、全体を引っ張っていくポジションだと思います。試合の要になると思いますね。

編集部
磯村選手にとって、理想のキャッチャー像とは?

磯村
〝勝てるキャッチャー〟が一番だと思っています。自分が打てなくても、相手チームより少ない点数で抑えれば勝てますし、もちろん自分がタイムリーを放ったら、ピッチャーの後押しになります。自分が打てなくても試合に勝てるキャッチャーというのが、理想像だと思っています。

編集部
アドゥワ投手(5/12)、山口投手(5/30)など、若手投手を好リードで先発勝利に導いています。若手投手の球を受けるときに心掛けていることはありますか。

磯村
あんまり難しく考えないようにしています。経験があるピッチャーは、対戦成績や相性があって、いろいろ考えることもあるのですが、若手投手の場合は基本的にはピッチャーのスタイルをあまり崩さないよう、また良いところを引き出すようにしています。

編集部
キャッチャーは、1試合が終わると、相当疲労感があるそうですね。

磯村
スタメン出場した場合は、9回が終わったらドッと疲れが出ますね。途中出場の場合でも、選手との意思の疎通が取れなかったら困るので、常に出場している気持ちで相手バッターの反応とか、どんな球を打っているとか、メモしています。僕って書いておかないと覚えられないんですよ(笑)。

編集部
過去のバッターのデータを頭に入れる努力は半端じゃないと思います。スコアラーが付けた投球チャートを家に持って帰って研究しているとか…

磯村
チャートを持って帰ることはあります。最近は家でチャートを見ることはあまりないのですが、必ず目を通すようにしています。

 

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「レギュラーを目指してやっていきたい」

編集部
磯村選手のストロングポイントを教えてください。

磯村
明るいことぐらいですかね。上本選手や曽根選手、野間選手など元気のいい人がいっぱいいるので、あの3人にはかなわないですね(笑)。野球に対してのストロングポイントは、あまりないです。無難に頑張ります (笑)。だめなときでも、平常心で過ごしているところかもしれませんね。

編集部
背番号40の重みは感じますか。

磯村
カープのキャッチャーといったら、40番は伝統の背番号です。達川さんや倉さんが長い期間付けてこられていたので、その重みは感じています。僕も両先輩のように、背番号と同じ40歳前後までプレーできればと思っています。

編集部
プロ9年目、この間、夢もあれば、挫折もあったかと思いますが…。

磯村
苦しいときもありましたけど、常に上を見てやっていました。こうして1軍の舞台に立てるというのは、ずっと目標にしてきたことなので、次はレギュラーを目指してやっていきたいと思います。

編集部
2016年から1軍での出場が増えました。そのころ、体も大きくなったと思いますが…

磯村
どうして出場が増えたのか、当時のことは全然覚えていないです。2018年のオープン戦では、最終戦でたまたま曾澤選手が体調不良で、代わりに僕が急きょ試合に呼ばれました。そのとき大瀬良投手とバッテリーを組んだのですが、その結果が良かったので開幕してからも大瀬良投手と組ませてもらいました。出場回数が増えたのは偶然です。

 

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「一人暮らしとは全然違いますね」

編集部
キャッチャーはケガも多いかと思います。日頃から心掛けていることは?

磯村
準備はなるべくしっかりするようにしています。ファウルチップやデッドボールは仕方がないのですが、自分で防げるケガはなるべくしないように心掛けています。そのかいあってか、プロに入ってからは大きなケガはあまりないですね。

編集部
最近は、奥さまの支えも大きいのではないですか。

磯村
いつも僕の体のことを考えて食事を作ってくれています。一人暮らしとは全然違いますね(笑)。食事の改善で、体重が減らなくなりましたし体調は万全です。ありがたいです。

編集部
感謝の気持ちは伝えていますか。

磯村
「いろんなことやってくれてありがとう」と言うぐらいですが、なるべく言葉にして言うようには心掛けています。

編集部
野球は小学校2年生から始められたそうですが、祖父、おじ、父、兄が高校球児という家系で、自然と野球をやっていた感じですか。

磯村
小さいころは、野球一家とは分からなかったので、全然気にせず楽しくやっていました。常にお父さんが野球を見ていたので、僕も野球に興味を持っていました。

編集部
堂林選手と高校が一緒で、バッテリーを組んでいたということは有名ですが、先輩・後輩というのは今でもありますか。

磯村
もちろんあります。堂林選手が1年年上ですが、フランクにいくときもありますけど、先輩・後輩として一線引くところはわきまえているつもりです。

編集部
高校2年生の秋からキャプテンとしてチームをまとめました。リーダー肌ですか。

磯村
僕は、あまりいろいろなことを言うタイプではないですね。最低限守らなければいけないことを指摘するぐらいです。〝俺についてこい〟というようなタイプではないですね。

 

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「インドカレーについてる〝ナン〟みたい」と言われた(笑)

読者からの質問
自分はどんな性格だと思いますか。

磯村
神経質と言うか、思い込むとやる方です。どうでもいいことはどうでもいいですし、周りが興味あっても、自分が興味がなければ、とことん興味がないですね(笑)。

読者からの質問
「キハ」というあだなや、「あごタッチ」は嫌ですか。

磯村
みんなにかまってもらえるのはありがたいです。
※「キハ」とは、スペイン語で「あごが長い」という意味

読者からの質問
「あご」のニックネームや「あごタッチ」は、いつから誰が始めたのですか。

磯村
大野寮に入寮したときの話ですが、堂林選手が先に入寮されていたので、「あいつは顔がでかい」とか「あごが長いとか」、僕の情報が他の人に回っていたんです。それで入寮のとき、各先輩たちの部屋を回ってあいさつをしていると、当時、丸選手が寮におられて、「はじめまして、磯村です。よろしくお願いします」と言った瞬間、丸選手の一言目が、「お前、インドカレーに付いている〝ナン〟みたいだな」と言われました。そこから、〝ナン〟とか〝あご〟とか言われるようになりました。もう9年間も言われているので免疫が付いています(笑)。

読者からの質問
バティスタ選手や菊池選手などからのいじりで、「これはやめて」というのはありますか。

磯村
バティスタ選手があごタッチをするとき、たまにあごをゴーンとやるんですよ。これが強烈で、ちょっと困っています。力加減を知らないので、油断をしていると痛いときがあります(笑)。

読者からの質問
バッティングの際に、腕をピクピクされていますが、あれはリラックスさせるためですか。ピクピクする回数は決まっていますか。

磯村
意識したことはないですけど、僕も映像を見たら、ピクピクやっているんですよね。わざとしていることはないんですよ。

読者からの質問
バッテリーを組んでいるピッチャーと一緒にプライベートで遊んだり、食事に行ったりすることはあるのですか。

磯村
あまりないですね。ピッチャーって、外食をする人が少ないですし、僕もホテルの食事が中心で、そこで食べながらしゃべったりするぐらいですかね。

読者からの質問
一番仲の良い選手は誰ですか。

磯村
誰とでも仲が良いですよ。常に誰かと一緒にいるというのはないですね。

読者からの質問
最後にファンの方へ、今期の目標も込めてコメントをお願いします。

磯村
チームは今年、4連覇で日本一を目指しています。僕もそれに貢献できるよう頑張ります。チームとしては、今が一番苦しいとき。オールスター戦後は、頑張っていきたいと思いますので、みなさん応援よろしくお願いします。

(取材日/2019年7月)