創業昭和49年。広島が生んだあの大スターが、帰郷したら必ず立ち寄るお好み焼きの名店! 
その魅力は長年変わらない味と値段、そしてお母さんの人柄にありました。

老舗の広島風お好み焼き店! 約半世紀も愛され続ける理由は…?

お好みぱぶ 恵京(えきょう)【広島市中区南竹屋町】

 

創業45年の老舗

中区南竹屋町にある、「お好みぱぶ恵京(えきょう)」は、昭和49年にオープンした創業45年の老舗です。
最初のお店は安芸郡府中町でオープンされたそうです。そして南区千田西町の修道高校前に移転し、多くの高校生や先生たちに愛されました。
しかし立ち退き命令により現在の場所に移転。それでも恵京の味を求めて、わざわざ南竹屋まで足を運ぶ修道高校OBも多いとか。その中には、あの大スターも!
その大スターについては、また後ほど詳しくご紹介します。

 

毛利元就の家来の末裔…?

恵京(えきょう)という店名、何か縁起良さそうな、ご利益ありそうな名前だと思いませんか?
早速、
「恵京という店名には、どんな意味があるんですか?」
と質問してみると、
「私の苗字よね」
という意外な回答が。
「珍しい苗字じゃろ? 元々、吉田(広島県安芸高田市)の名前なんよ。ひょっとしたら、うちの先祖は毛利元就の家来じゃったんかもしれんね〜」
「元就の家来だったとか、そういった記録とか言い伝えとかあるんですか?」
「いや、私が勝手にそう思っとるだけよ! わはは!」
「そ、そうなんですね、あはは…」
お母さんの流れるような言い回し…、これはお客さんを笑わせるために何度も使っている鉄板(*)ネタだとお見受けしました。(*お好み焼き屋さんだけに)

 

冷めても美味しい、圧縮型お好み焼き

恵京のお好み焼きは昔ながらの「圧縮型・広島風お好み焼き」。
専用の重りを使って、お好み焼き全体を圧縮します。

 

 

「こうするとね、麺に他の具材の味が染み込んで、美味しくなるんよ。それとね、冷めても美味しく食べれるんよね」
なるほど、最近あまり見かけなくなった圧縮型には、「冷めても美味しい」というメリットがあるんですね。

余談ですが、筆者はこんな仮説を立てて見ました。恵京さんがオープンした昭和49年頃はまだ電子レンジが普及しておらず、お持ち帰りのお好み焼きを、冷めたまま食べることが多かった。だから冷めても美味しい圧縮型のお好み焼きが主流だったのではないでしょうか。その後、電子レンジが各家庭に1台あるのが当たり前になり、冷めたお好み焼きを手軽に「チン」できるようになったので圧縮型は少なくなり、圧縮しない「ふんわり型(と、勝手に名付けさせてもらいますが)」主流になったのではないでしょうか? 以上、余談が長くなってしまいました。

 

卵は2個! 創業時のサービスがやめられず…

「うちのお好み焼きはね、卵が2個入るんよ。オープンした時にサービスで始めたんが、お客さんが喜んでくれるけー、やめられんでね〜。今も続けとるんよ」
そんなサービス精神旺盛な恵京さんですが、実はもっとすごいことを続けておられるのです。

 

卵2つをさっと割って、さっとかき混ぜます

25年間変わらない、同じ値段のお品書き!

ご覧ください。このお品書き! なんと「お好み焼き 肉・卵・そば 又は うどん」が550円ですよ!
(*この記事を読んでくださっている広島県外の方のために補足説明しますと、2018年現在の広島市内ではお好み焼き1枚700〜800円くらいするのが当たり前なんです)

 

お品書きの右から二行目に注目です!

「平成5年からこの値段でずーっとやっとるんよ。『値上げしたほうがええんじゃないん?』って心配してくれるお客さんもおるんじゃけどね、私は適当な性格じゃけ〜、このままでええんよ! わはは!」
と笑う恵京さんは、豪快かつダイナミック、まさに「よっ、肝っ玉母さん!」という懐の広いお人柄です。
しかし、恵京さんとお店の歴史には、その笑顔からは想像できない物語があったのです。

 

女手一つ、3人の子供を育てるために

約45年前、恵京さんのご主人は40歳という若さで他界されました。恵京さんは、食べ盛りの3人のお子さんを育てるために、お好み焼屋さんを始められたそうです。
「最初は横川の方の店に、焼き方を習いにいってね…。今じゃ、子どもらも、もう、みんな50代になってね。いまは私のボケ防止のために、店をやっとるようなもんよ!」
と豪気に笑う恵京さん。創業時の話はあまり詳しくお聞きできませんでしたが、女性が働くということ自体が珍しく世間に受け入れられにくかった時代、自分で商売を始めるというのは、並大抵のご苦労ではなかったと思います。

 

手も動くし、口も動く。お好み焼き屋さんって、つくづく接客業なんだな、と感じました。

お母さんの楽しいトークを聞いている間に出来上がり

この日はお客さんが少なくなった午後2時すぎにお伺いしたのですが、
「今日はソバが売り切れてね〜、うどんしか出来んのよ。ごめんね」
と言って、焼いてくださったのがこの1枚!

 

普通サイズでもなかなかのボリュームです

食べ盛りの修道高校の生徒さんのために焼いておられた名残か、普通サイズの肉・卵・うどん入り(550円)でも、結構なボリュームです。
「最近は若いサラリーマンのお客さんが多いよね」
とおっしゃるのも、納得です。しっかりお腹いっぱいになりました!

肉、野菜、麺、それぞれの味がお互いに染み込んでいて美味しい!

冒頭でご紹介した修道高校卒業のスーパースターとは…? 現在は俳優としても大活躍されている、ミュージシャンの吉川晃司さんです!!

 

壁には吉川晃司さんのサインや写真がたくさん!

吉川さんは高校生の頃はもちろん、高校を卒業して芸能界で成功した後も、広島に帰省した際には必ず恩師や同級生と一緒に修道高校前にあった恵京のお好み焼きを食べに訪れたそうです。その後、恵京は現在の南竹屋町の店舗に移転します。すると吉川さんは、番組の企画で移転先を調べ、中山秀征さん、飯島愛さんと一緒に取材にきて下さったそうですよ。
その時の写真も飾られているので探してくださいね。

 

店の外には「吉川晃司御用達の店」の張り紙が!

 

吉川さんが広島でコンサートをされる時はたくさんのファンが訪れるそうです。また、普段も「吉川晃司の聖地」として全国から訪れるファンもいらっしゃるそうですよ。

現在でも吉川晃司さんをはじめ、修道高校の卒業生の皆さんは度々足を運んで来られるそうです。修道高校のOB、そして地域のみなさんに愛され続ける理由は、お好み焼きの美味しさだけではなく、恵京さんの、人生のどんな出来事も笑い飛ばしてくれそうな、スケールの大きな明るい人柄にもあるのかもしれないな…と感じました。

お好みぱぶ 恵京(えきょう)