さまざまなおもちゃがある中で、昔から愛されているものに「木のおもちゃ」があります。温かな手触りと、柔かい音、自分の手を使って動かし、自由な発想で遊ぶことができる。そんな五感をフルに使う遊びができるのが、木のおもちゃの魅力ではないでしょうか。その魅力に魅せられたオーナーたちが営む木のおもちゃ専門店を紹介します。

スペシャリストがセレクトしたおもちゃがズラリ!

おやこにいいもの くるり【東広島市西条】

東広島市高屋町の住宅街に佇む、木のおもちゃの専門店「おやこにいいものくるり」。木のおもちゃが好きな3人のママの夢が形になった店です。2009年にオンラインショップを立ち上げ、2010年に現在の場所で木のおもちゃと雑貨の店をオープンしました。

こちらの2階にお店はあります。もともとはアトリエで絵画教室を開いていた大家さんから、ここを子育て支援に使って欲しいと声をかけられたのが始まりだったのだそう。「木のおもちゃをもっと知ってもらえて、親子で過ごせるプレイルームも兼ねた場所が作りたい」、これは子育て中に木のおもちゃに出合い、その魅力に惹かれた3人のママたちの共通の夢でした。そんなときにこの物件と出合い、店のオープンを決めました。

建物の2階にあがると手作りの看板がお出迎え。周りにある木や鳥、「そらまめくん」はすべてマスキングテープで描かれていてます。

アップにするとこんな感じ。色とりどりのマスキングテープが使われていますね。この絵心のセンスが素敵です。

店内に入ると、ところ狭しと木のおもちゃが並べられています。ラトルや歯固めといったベビーが使う初めてのおもちゃから、幼稚園~小学生が夢中になって遊ぶものまで。幅広い年代が楽しめるおもちゃがそろいます。

子どもたちが大好きなままごと道具。野菜や果物におもちゃの包丁をいれると、ザクっと切れる、この楽しさはどんな子でも一度はハマる時期がありますよね。

プラントイ ダンシングアリゲーター 3,240円。ぐらぐらくるくる 3,348円など。プルトーイ(引っ張るおもちゃ)は歩き初めに与えることが多いのですが、ハイハイを始める前の赤ちゃんにいいそうです。赤ちゃんの目線に合わせてゆっくり引っ張ると、ハイハイを促すことができるのだとか。歩けるようになると引っ張って歩いたり、ごっこ遊びを始めるとペットの代わりにしたりと子どもの成長に合わせて長く遊べるおもちゃです。

汽車も男の子には不動の人気のおもちゃですね。BRIOのレールセットにレールを追加したり、パーツを追加したりして、長い線路を作ることに大人が夢中になってしまうこともありますね。こちらも子どもが小さなときは電車を動かして楽しんでいますが、少し大きくなると線路を組むのを楽しんだりして、こちらも長く遊べるおもちゃです。

他にも子ども用の食器や子どもサイズの包丁やピーラーなど台所道具やしかけ絵本、大人も大好きな文房具などの取り扱いもあります。クリスマスの時期には、木のツリーやサンタの置物、アドベントカレンダーなど、見ているだけでワクワクしてくる品がたくさん揃っています。

「指先を使うこと、手を動かすこと、自分で考えて使えること」が木のおもちゃの魅力と同店のおもちゃコンサルタント広兼知子さんが教えてくれました。おもちゃコンサルタントとは、子どもの成長に合わせて、優良なおもちゃや遊びをバランスよく与えることができる、おもちゃのスペシャリストと認定された資格を持つ人のこと。同店のスタッフ3人ともが、おもちゃのコーディネートに関する資格を持っています。子どものおもちゃに迷ったり、プレゼントに迷った時は相談してみて。的確なアドバイスがもらえますよ。

 

ボードゲームを通じて伝える“アナログの力”

もうひとつ、同店が力を入れているのが「アナログゲーム」です。小さな子どもが楽しめるものから大人が楽しめるものまで数多くそろえています。アナログゲームに親しんでもらいたいという思いから、ボードゲームの貸し出し(有料)という珍しい試みも行っています。「ボードゲームの会員」(年会費1,000円)になれば、会員特典としてゲームのレンタルができるようになる他、ボードゲームを詳しく紹介した通信や、ゲーム購入時に割引があったりなど嬉しい特典もありますよ。

アナログゲームには、集中力や我慢をする力、ルールを理解する力、感情をコントロールする力などが養われ、円滑なコミュニケーションを育む力がつくのだとか。「デジタルを全否定するわけではありません。ゲームだけでなくデジタルと今の生活は切り離せないものになっています。アナログが育む力を知り、アナログとデジタルが共存していくのが理想ですね」と広兼さん。取材の間も一つ一つのゲームのルールや楽しさを教えてくれました。

「キャプテンリノ(1,728円)」を教えてもらいました。キャプテンリノ(上段にいるサイのような人形)のために、カードで高層マンションを建てるバランスゲームです。プレイヤーに配られた床のカードを、誰が一番早く使い切るのかを競います。それまでに何度も崩れてしまったり、ドキドキハラハラするゲームでした。

 

最近では小学校のPTCに招待されて、ボードゲームを親子で楽しむ手伝いをしたりもするそうです。他にも専門家を招き、発達段階に合わせた遊びでコミュニケーション力を伸ばす療育方法を学ぶ「アナログゲーム療育講座」も開催し、アナログゲームの意義や活用方法を伝える活動もしています。

遊びを通じて子育てをサポート

こちらはショップの隣にあるプレイルーム。2時間1,000円の使用料でおもちゃごと部屋をレンタルすることができます。プレイルームを作ることも店を持ったときからの3人の夢でした。「うちの店に来るお母さんはみんな真面目過ぎるぐらい頑張っている人ばかりです。育児が大変なときもここに来て話をしたり、木のおもちゃに癒されて、ちょっと力を抜けるようになればと思っています」と広兼さんは話してくれました。

仲良しのママさんと子どもを思いっきり遊ばせたり、家族やサークルでも利用されているそうです。毎週水、木曜日は「どんぐりカフェ」も開催。親子1組300円(大人の飲み物1杯付)で木のおもちゃでたっぷり遊ぶことができますよ。

「くるり」の店名は、決して楽しいことばかりではない育児のなかで、お気に入りの物があることで、「大変」が「楽しい」にくるりと変わる、そんな物や空間や場所になればという思いを込めて名付けたのだそう。

帰りの下りの階段にはこんな文字が。くるりのスタッフの皆さんの温かい心に、優しい気持ちになれる、そんな素敵な店でした。

おやこにいいもの くるり